ブリュッセル便り一覧へ  目次へ

      2007年03月 ラ・プティット・バンド公演(3/21-24)   2007.04.03


『ラ・プティット・バンド 録音風景』

シギスヴァルト・クイケン主宰、ラ・プティット・バンドに久々に参加しました。
3/21からのコンサートは、ブリュッセル(ベルギー)のミニム教会に始まり、パリ(フランス)のサン・ロック教会、パドヴァ(イタリア)のコンセルヴァトーリオ付属ポッリーニ・オーディトリウムで行い、そこで2日間CDのための録音が行われました。

今回はイースター前に歌われるカンタータを集めたものでした。
カンタータの演奏が禁止される四旬節中、唯一演奏されたものが第1番「輝く暁の明星のいと美わしきかな」だそうです。
ちょうどクリスマスの9ヶ月前に受胎告知があるわけで、バッハはそれをカンタータにして、この期間唯一のカンタータ演奏を実現しました。受胎がテーマなので、まるでクリスマスのような雰囲気に満ちています。
2つのヴァイオリン・ソロが星のきらめく様子を表している、ということです。
ここでは、シギスヴァルトと僕が2つのヴァイオリン・ソロを担当しました。



『カンタータ 第18番』

今回の眼目は、バッハが[basso]ではなく[violoncello]と記したパートをヴィオロンチェッロ・ダ・スパッラで演奏するということです。
コンティヌオ、バッソでの弦楽器は大型のチェロ、フランス語で言うところのバッス・ドゥ・ヴィオロンであり、8フィートの楽器(記譜された通りの音域で弾く)のみで、16フィート(記譜より1オクターヴ下の音が出る、いわゆるコントラバス)の楽器は使わない、そしてヴィオロンチェッロと記譜してあった場合はヴィオラ・ポンポーザ、すなわちヴィオロンチェッロ・ダ・スパッラを用いる、というのが最近のシギスヴァルトの主張です。

ヴィオラ4本のカンタータ第18番「天より雨くだり雪おちて」では、[バッソ]パートと[ヴィオロンチェッロ]パートがあるので、その[ヴィオロンチェッロ]パートを僕がスパッラで担当。
しかもこの曲は、イ短調とト短調で書かれているパートがあり、チェロ・パートはト短調なので1音高いA=465で演奏しました。ちなみに、4本のヴィオラは全て465、ファゴット(ドゥルシアン)も465、リコーダーとバッス・ドゥ・ヴィオロン、オルガンは415で、イ短調で演奏しました。このために、もう1台スパッラを借りました。







(←)
カンタータ18番の録音風景









(↓)ドゥルシアンとの練習風景



『カンタータ 第23番』

カンタータ第23番「汝まことに神にしてダビデの子よ」では、[ヴィオロンチェッロ]パートが3つも残されています。しかし、おそらくその内の一つは違う機会に使われたものらしいので、2つのチェロパート(全く同じもの)をスパッラで、シギスヴァルトと僕がユニゾンで演奏しました。
バスパートは2台のスパッラとオルガンのみで、それより大型の楽器は一切なし。
以外に十分な音量があるということで、結構納得した人は多かったようです。
もちろん、従来のコントラバスなども入った重厚な響きを求める人には、多少物足りなかったかも知れませんが。しかし、実際にバッハの時代のように教会の大オルガンを使って演奏すれば、ストップの使い方でいかようにも出来るわけで、16フィートの楽器がなければ物足りない、などということは無かったはずです。


            ブリュッセル便り一覧へ  目次へ